毎日の「ちょっと」した選択からより豊かな人生を提供します!

【取材レポ】伝統と革新の間〜究極の木箸〜

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今回お邪魔したのは
東京スカイツリーのお膝元は曳舟駅にある
「江戸木箸 大黒屋」
ふっと空を見上げるとぎょっとするような
巨大建築物スカイツリーと
ふっと足下に目をやればほっこりと野良猫に遭遇する
何か近未来と過去が混ざりきれずに共存しているような
そんな街角に今日の取材の舞台はありました

駅前の賑やかな通りから一本裏
路地に入りてくてくと歩いていると突如現れた今回の舞台
店舗兼工房の外観は何とも洒落ていて
失礼ながら一見するとお箸屋さんにはみえない(笑)
まるでどこかのブティックのような店構えだ

店内は整然と数百もの箸が並べられており
凛としていて且つ温かみのある雰囲気がうかがえた
店頭の所々にあるポップには温かみのある字で
説明などが書き込まれており陳列の心遣いにも余念がない
きっとそこには主人の人柄がでているのではないか?と感じた

事務所へご挨拶をさせていただき
しばし店舗の中で待たせていただいていると
今回の主役である
社長の竹田勝彦さんが颯爽と登場
体は決して大きくなく
むしろ小柄なのだが
目力のあるややギョロとした目を持ち
発せられた第一声の声色には明るく張りがある
やや早めの話し口調は典型的な江戸っ子!的な印象で
とにかくスゴイ存在感の持ち主
のっけからやや圧倒された笑

【極限までの「追求心」と「楽しむ心」】
インタビューを初めてまずびっくりした点は
その箸のバラエティーの多さだ
何と箸の形は3角箸〜9角箸や丸型箸
卵かけご飯箸かららーめん箸や
ずんぐり箸やおでかけ箸…
よくもここまでアイディアがでてくるものなのか?
と純粋に関心をした
みなさんは普段箸を使用する際に
“何角箸が一番もちやすいか?”
“この食材をたべるならこの箸で!”
などお考えになられたことなどありますでしょうか
正直私は一度としてありませんでした
多くの人は少なからず持ちやすさ位を感じたりする程度で
特に意識をすることはないのではないかと思います
「持ちやすさ」や「唇にふれる感覚」などを
ひたすらひたすら追求したら
このように様々なレパートリーができたのだと
竹田さんは説明してくださった




そう追求したら結果としてそうなったという所が
なんともかっこいい!
あくまでも箸制作にまっすぐに向き合ったら
結果としてそうなったのだ
そこには竹田さんの創意工夫や遊びが沢山つまっている
その一膳一膳にはエピソードがあり
そして試行錯誤の日々があったのだろう
またそこには決して発想力だけではなく
その箸ごとの特徴を見出すべく
構造は緻密に計算されていて
確かな根拠に裏打ちをされた実用性も兼ねそろえていた
こんなにもこだわりぬいて箸をつくっている人が
他にいるのだろうか?
っと正直、驚嘆した
だけど大切な事は竹田さんの制作の根底に感じるのは
ご本人が何よりも楽しんでいるということだ
「好きこそ物の上手なれ」とはまさにこのこと
何気なく手にとるとわかりづらい価値が
こうして作り手の想いやこだわりをお聞きする事で
そこに込められてる本当の価値がみえてきた

【機能を追求したら結果として機能美に】
ご本人もおっしゃっていたが
竹田さんの箸は一見するに華美な装飾などはなく
とても素朴な印象
しかしじっくりと見て触れてみると
すっとのびた鋭利な箸先や
箸中部のしなやかなくびれなどが本当に美しい
それはデザイン性を念頭において
作ったのでは決してなく
機能を追求したら結果的に
機能美が栄え造形として美しくなったのだとか
まさに匠の領域である
これが本来の「美」なのだと唸らせられた…

【道具は「道」具ではなく「動」具】
日々私達が食事をとる際に使っている箸は
手と一体となって自由自在に扱える
まさに体の一部となって動作することが望ましい
道具は「道」具ではなく
動くことで初めて成立する「動」具
というのが竹田さんの持論
そんなことを聞いていると
インタビュー中に早くも「動」具として
このこだわりがつまった箸を使うことで
本当の価値を感じてみたい!と強い欲求にかられた笑
ここで強く感じた事は
以前の取材レポにご登場していただいた
中村さんも仰られていたが
あくまでも製品は芸術品ではなく
日常に使えるモノという美学は
竹田さんも共通した考えだということ
だからこそ使ってもらわないと意味がない
また箸は普段は意識して使わないからこそ
無意識レベルで気持ちよく日々使えるモノを
目指しているのだそうだ
まさに食事の究極の立役者だ
取り扱う製品は違えども自分の中で
お二人の職人が点と点から線となり
結ばれたように感じた瞬間だった
だからこれかも
「つくりやすい箸」「売れやすい箸」ではなく
『使いやすい箸』を作り続けるのだと
竹田さんは断言されていた

【職人でありビジネスマン】
また竹田さんの凄い点は
業界やビジネスの構造に対して理解が深く
捉え方がシャープで
常に情報へのアンテナを張り巡らせている点だ
旧態依然であれば消費者は百貨店等で
安心と信頼を根底に「良いモノ」として
モノを購入をしていたが
今はインターネットが購買に先行して情報が流れてしまう為、
消費者はある程度の判断をした上で店頭に足を運ぶことが多い
だけれどもその肝心なモノの良さを店頭で
知識と想いをもって説明できる店員がいない為に
本当の良さが伝わらない
だからモノが売れにくい
まさに負のスパイラスに陥り勝ちいっているのではないか?
と竹田さんは言っていた
だから竹田さんの箸はどんなに有名な百貨店であっても
しっかりとモノの価値を店頭で販売員が
伝えきれないのであれば
卸は一切おこなっていないのだとか
竹田さんはその店頭での価値のことを
「うんちく」とおっしゃっていた
「だってそのうんちくや語りがあって価値に納得してお客さんは買うんでしょ?
買い手も売り手もそこで初めて『得した〜』って思うんでしょう!」っと
お客さんはその「うんちく」が店頭ではきけないから
今や直接作り手のもとに出向いてモノを求めることだってあるという
問屋も百貨店もそのうちこのままでは減り続けるのではないか
ちゃんと時代の変化を読んで商売しなければモノは売れない
モノが売れなければ結果的には良いモノをつくる作り手が減る
今の商習慣構造の一つの歪みは
もしかすると本当に良いモノは作られていたとしても
良い方法で伝える術がないことが問題なのかもしれないと感じた
ここまでお話を聞いていて
語弊を恐れず発言をするならば
正直こんなにも自分の製品とお客さんとの関係性を理解し
打ち手を打っている職人は他にいるのであろうか?
職人というと頑なにモノをつくるイメージだったのだが
竹田さんは職人兼プロデューサーとして
一人二役で環境に適用をしたご商売をされている
まさに時代を生き抜く「今の」職人だ

【箸作りのやりがいは】
「《顧客満足=製品完成度》を追求すること」実にシンプル
竹田さん談:
店頭で“あ〜でもないこ〜でもない“って
2時間も3時間も悩んでいくお客様もいるんだけど
『ぴたっ』と手にはまった!
って喜んで買っていっていただけるのは
本当にうれしいよね〜
それにね
箸って言うのは
乳飲み子が母親の母乳を離れてから骨壺に入る最後の時まで
一生お世話になる大切なものなんだよ
本来はもっともっとこだわって選んで大切に使うべきだと思う
だってみんなも服買うときは試着をするでしょ?
サイズの微妙にあわない靴をはいたら気持ちが悪いでしょ?
箸は日々必ず使うモノ
そしてそもそも命をいただく為のまさしく命の橋渡しをする
神聖なモノでもあるんだよ
だから大切な存在として満足したモノを使って欲しいんだ

【一路工房へ!】
インタビューの途中、どうしても作業現場をみてみたくなり
竹田さんに無理を言ってお願いをすると
快くひきうけてくれた
店舗の隣接する工房に移ると
そこはまるで男の隠れ家のような空間が
なかでは2人の職人さんが黙々と作業をされていた
箸を削りだしている機械にもこだわりがあり特注の機械を使用されていて
作業の行程によりサンドペーパーを幾度も交換して
箸を巧みに削りだしていく
途中自ら竹田さんが実演もかってでてくださった
機械にスイッチをいれると独特の機械音
なんか男子であれば誰もが
ワクワクせざるをえない音とにおいと雰囲気
作業を始めた途端に竹田さんの表情が真剣さを増し
周囲にピリッとして空気が流れた
作業はあたかも簡単にやってのけているようではあるが
削りだす際に勿論材料に補助線などはなく
まさに感が勝負の一発勝負

箸の特性上左右対称に性格に
つくらなくてならないので難しさも2倍だ
竹田さんの箸につかう材料は厳選された銘木
(黒檀、柴檀、鉄木、楓など)を材質としている
材質として固いのが特徴で長期にわたって使用が可能であるが
その分貴重な材料となるので
少しでも失敗をすればオジャンになるのだから
みているこっちが緊張せざるをえなかった笑

【「伝統」の継承ではなく「進化」の継承】
お邪魔をさせていただいた際、
工房には2人の職人さんがいらっしゃったが、
お一人は実の息子さんで
もう一人は娘さんの旦那さんとのことでご紹介くださった
竹田さんいわく当初は一代でやめようかとも
考えていたとのことだが
お二人とも「やってみたい」っという思いをもってくれ
職人道に飛びこんできてくれたことが嬉しくって
迎え入れたのだそうだ
こうして技は伝承されていくのだな〜となんだか安心をした
興味深い事に竹田さんは伝統工芸とは
頑にやり方を守り同じものを作っていくことではなく
その時代時代にあったもので進化を
していかなくてはならないものだと言っていた
今の時代を生きる作り手が制作にちゃんと参加をし
その時代にあわせて進化をしなければ
本当の意味での伝統工芸ではない
生物と一緒で常に進化をし続けることは必須条件なのだ

【垣間みた温かな人間性】
箸作りについては前述の通り
ストイックすぎる職人の竹田さんだが
インタビュー中に幾度か
みせてくれた人間臭い部分も魅力の一つだ
インタビュー中も前の通りを通り過ぎる方々が
店内いる竹田さんを見つけては会釈をされたり、
途中、店舗から工房に移る際にすれ違った
ご近所の幼稚園児くらいの小さなお子さんが
園児:「いまから◎♯△□行くんだ〜♪」
竹田さん:「そうかそうか〜よかったな〜。いってらっしゃい」
と何気ない会話をされている際の横顔は
厳しい職人顔からどこにでもいる優しいおじいちゃんの顔になる
満面の笑みをうかべる竹田さんの表情をみて
何だかこちらまで微笑ましい気持ちになった
地域に愛され根ざし伝統をつくる
どこか今の日本では忘れられつつある
大切な心がここにはあるのではないかと感じた

【はじめることに遅いなどない!〜若人へのメッセージ〜】
そんな第一線で活躍される
竹田さんのルーツをうかがってみると
今まで職人道をひたすら走り続けてきたのかと思いきや
実は最初は食器問屋の営業マンをやられていたのだが
この道に飛び込んだきっかけは
当初メーカー側に自分の理想の箸をつくってもらえるように
お願いをしたものの
なかなか理想の箸ができなかったとのことで
「それなら俺が作る!」
と職人の世界に自ら飛び込んだというやや異色の経歴の持ち主
猪突猛進タイプでこれっと決めたらとことんやりきるタイプ
きっと竹田さんは箸作りの世界に入っていなかったとしても
どんな業界であれ強い興味と関心がそこにあれば
今と同様に超一流になったのではないか
どこか熱くなることが少ないとされている
我々若い世代は大いに学ぶべきことではないだろうか
一心不乱に情熱を持つ事の大切さ
それこそが自分の人生を豊かにし
生きる意味を感じられる重要なことであること
そしてそれが人も幸せにすることのだ
好きなことに出会い向き合える人生はかっこいい
竹田さんもそんな一心不乱にむきあえる箸作りに出会ったのは
なんと43歳の時なんだとか!
「何かやりはじめるのに遅いってことなんてないよ!」
と自信に満ちた眼差しで鼓舞してくれた

【一生のお供になる最高の一膳を】
竹田さんのつくる一膳一膳は
竹田フィロソフィーがふんだんにつまっていた
生きざまがそのまま箸となったかのようだ
「柳に雪折れなし」
柔軟で既成概念にとらわれないしなやかな心をもった
職人が魂を込めてつくる珠玉の一膳
きっといつもの一口が特別の一口になることでしょう
ぜひご使用ください
店頭にいけば親切に真剣に竹田さんが
ご接客をしてくださいます。
追伸:我が家にもカメラマンのO君の家にも勿論日々の相棒が増えたのでした笑

選択者:Rickey
詳細はこちら


関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (2)

    • Johne842
    • 2016年 12月 21日

    I don’t usually comment but I gotta admit thanks for the post on this great one eceedeadedfb

  1. This is a great blog, would you be involved in doing an interview about how you created it? If so email me! dgfeeckggcdcefbe